医学生の分子細胞生物学学習日記(1)
DNA…細胞の遺伝情報を担う
染色体タンパク…主として、とてつもなく長いDNA分子を小さくまとめる
DNA(デオキシリボ核酸)分子は、DNA鎖と呼ばれる長いポリペプチド鎖2本からなる。2本の鎖は4種類のヌクレオチドでできており、ヌクレオチドの塩基部分の間にできた水素結合によって結びついている。
ヌクレオチド…窒素を含む塩基に結合した五炭糖に、1個あるいはそれ以上のリン酸基が結合したもの。DNAの場合、糖はデオキシリボース、塩基はアデニン、シトシン、グアニン、チミンのどれか。糖、リン酸部分の共有結合により鎖状につながり、糖、リン酸の主鎖ができる。鎖の両端…3‘末端(3’-ヒドロキシ基)、5‘末端(5’-リン酸基)と呼び、極性を表す。塩基はすべて二重らせんの内側にあり、外側には糖ーリン酸の主鎖がある。
(極性…細胞・組織・個体などが、ある方向に沿って形態的・生理的性質の何らかの差異を示すこと)
相補的塩基対形成…エネルギー的に最も安定な配置
(2つの環からなる大きい塩基(プリン塩基)と1つの環からなる小さい塩基(ピリミジン塩基)
(アデニンとチミン、グアニンとシトシン)
水素結合2つ 水素結合3つ
塩基対は2本の鎖が逆平行、極性が逆の時
3‘-ヒドロキシ基と次の5’-リン酸基の共有結合…ホスホジエステル結合
逆平行に並ぶ→どの塩基対もらせんの内側にうまく入り込む
らせん1回転当たり10塩基対を含む
水素結合…共有結合でないので切りたいときに切れる(エネルギーが必要)
生物の違いは、それぞれが持つDNAの塩基配列、つまり生物としての情報の違いとしてとらえられる。
遺伝暗号…DNAのヌクレオチドの4文字アルファベットとタンパク質のアミノ酸の20文字アルファベットとの正確な対応。これはDNAの構造からはわからない。
遺伝子発現…細胞が転写し、多くの場合翻訳する過程
転写…遺伝子の塩基配列をRNA分子の塩基配列に写す 翻訳…これをタンパク質のアミノ酸配列に翻訳
真核細胞では、非常に長い二本鎖DNA分子がきっちりまとめられて染色体になって核内にうまく収まり、しかも細胞分裂のたびに複製されて2個の娘細胞に分配される。
真核生物では、核のDNAは何本かの染色体に分かれて存在する。
人の核のDNA…約3.2×109個のヌクレオチドが、23あるいは24種類の染色体に分配されている。(男性にはY染色体が1種類余分に存在)
それぞれの染色体は、1本の非常に長い線状のDNA分子とそれを結合したタンパク質でできており、このたんぱく質が細い糸状のDNAを折りたたんで小さくまとめている。
このDNAとタンパク質の複合体をクロマチンとよぶ。
ヒトの細胞には、染色体が2コピーずつ含まれている。1つは母親から、1つは父親から引き継いだもの(この対:相同染色体)
相同でない染色体対…男性の性染色体対(父親由来のY染色体と母親由来のX染色体)
(女性は父母両方からX染色体を1つずつ受け継ぎ、Y染色体をもたない。
ヒトの核型…人の全染色体46本を並べたもの
遺伝子…特定のタンパク質やRNA分子をつくるための指令を含んだDNA
ゲノム…ある細胞や生物の全染色体に書き込まれた遺伝情報全体
細菌や一部の単細胞真核生物のゲノムは特に小型で無駄がない。これらの染色体のDNA分子には、遺伝子が隙間なく並んでいる。
⇔多くの真核生物の染色体には、遺伝子やその正常な発現に必要な特別な塩基配列のほかに大量の余分なDNAが含まれる。
遺伝子数と染色体数、ゲノムの大きさの間には単純な関係はない。