医学生の分子細胞生物学学習日記(8)
DNA自体がタンパク質を合成するのではなく、作業チームに仕事を振り分ける監督の役をする。
あるタンパク質が細胞内に必要となると、DNA分子の中から適当な部分のヌクレオチド配列がまずRNA(リボ核酸)という別の種類の核酸に写し取られる。DNAの一部、この写し取られる部分が遺伝子であり、写し取ったRNAがタンパク質合成の指令となる
真核細胞のRNAスプライシング…タンパク質に翻訳する前に転写産物RNAから一部分をとって除き、残りをつなぎ合わせる。
発現…細胞が遺伝子の持つ情報を読み、働かせる。細胞は遺伝子ごとに発現速度を変えられる。
RNA…チミンの代わりにウラシルが含まれる。ウラシルもアデニンと水素結合をつくって対合する。相補的な塩基対形成
一本鎖であり、折りたたまれて様々な構造をとる(DNAは二本鎖のため、折りたたみは起きない)
折りたたまれて複雑な立体構造をとれるため、細胞内の様々な機能をはたしている。
DNAの機能は情報の保持だけだが、RNAには、構造的な役割を担うものから、調節や触媒の役割を果たすものまである
分子内で塩基対を形成(通常とは異なる塩基対も形成される)
細胞内のRNAはすべて、転写によってつくられる。転写産物RNAの塩基配列は、鋳型となったDNA鎖と完全に相補的になる。
合成されたRNA鎖は、DNA鋳型鎖と水素結合したままではなく、リボヌクレオチドが付加されている部分のすぐ後ろで鋳型鎖から離れ、(RNAポリメラーゼは、DNAの鋳型鎖に沿って動きながら{3‘→5’方向に})DNA二重らせんを再形成する。つまり、DNA分子の一方の鎖だけが転写され、RNA分子は一本鎖になる。また、DNAの一部だけを写し取るのでDNA分子よりかなり短い。人染色体一本の中のDNA2億5千万塩基対に達するものもあるが、完成したRNAは数千塩基以下、もしくはずっと短い。
鋳型鎖…遺伝子の転写されるほうの鎖 コード鎖…DNAの非鋳型鎖は、塩基配列が転写産物RNAと同じになる。
DNA/RNAらせん(長さは約9ヌクレオチド)の形成は一過性で、DNA/RNAらせんをふくむ「窓」はポリメラーゼとともにDNA鎖に沿って移動する。
RNAポリメラーゼはホスホジエステル結合をつくってヌクレオチドをつなぎ、RNA鎖の糖―リン酸主鎖を形成する。
(DNAに沿ってDNA二重らせんをほどきながら進み、鋳型鎖の新しい部分を露出させ、相補的な塩基対をつくりながら5‘→3’方向にヌクレオチドを1個ずつ伸ばしていく。新たに入ってくるリボヌクレオシド三リン酸が反応を進める駆動力を供給する)(3‘に付加)
RNAポリメラーゼが気質として使うのがリボヌクレオチド。RNAポリメラーゼはプライマーなしで合成を始められる。(RNAは、細胞の遺伝情報を永久保存するわけではないので、転写産物に誤りがあっても大して問題はない。DNAポリメラーゼはヌクレオチド1/10000000のコピーで一回程度の誤りしか犯さないが、RNAポリメラーゼは1/10000と多い。)