医学生の分子細胞生物学学習日記(11)
細菌…DNAはリボソームと同じ細胞質にあり、mRNAの合成が始まると、リボソームがすぐに転写産物の遊離5‘末端に結合し、タンパク質への翻訳を始める・
真核細胞…DNAは核に閉じ込められ、転写は核内で起こる。タンパク合成は細胞質のリボソームで起こる。
RNAは細胞質に運ばれる前に、RNAプロセシング(RNAキャップ形成、RNAスプライシング、ポリアデニル化)が必要。
RNAプロセシングを行う酵素はRNAポリメラーゼⅡの尾部にのっており、転写産物RNAがポリメラーゼから出てくると加工始まる。
プロセシングは転写と共役する(核内)
mRNA前駆体だけが受けるプロセシング…mRNA分子の安定性を高めて核から細胞質への輸送を助ける。
mRNAであるという目印になる。
タンパク合成装置が情報として完全だと確認してタンパク合成を始められる。
RNAキャップ形成…転写産物5‘末端の修飾。普通とは違った結合で、RNAポリメラーゼⅡが25ヌクレオチド程度のRNAを合成した頃行われる。
ポリアデニル化…転写したばかりのmRNA3‘末端への特定構造の付加。真核生物のmRNAの3’末端は、ある特定の塩基配列のところで酵素によって切り取られ、そこに別の酵素によってアデニンの反復配列が付加される。(ポリA尾部)長さは通常数百ヌクレオチド。
mRNA前駆体がmRNAとしての機能を持つには、さらにはるかな大幅な修飾、プロセシングが必要。
細菌…大部分のタンパク質は途切れのないDNA塩基配列で指定されており、転写でできたmRNAは加工しなくてもタンパク質へと翻訳可能
真核生物…タンパク遺伝子のほとんどが、タンパク質を指定する領域がイントロンという長い、タンパク質をコードしない配列の領域で分断される。翻訳領域はエキソン
エキソンはイントロンよりも短く、遺伝子のほんの一部に過ぎない。
キャップ形成し、RNAポリメラーゼⅡが転写を続けるときにRNAスプライシングが始まる(新生RNAからイントロンを取り除き、エキソンをつなぎ合わせる)ポリA尾部の付加は、スプライシングの前後それぞれの場合がある。スプライシングや3‘、5’末端の修飾が終わった転写産物は、機能するmRNAとして核から運び出され、タンパク質に翻訳される。
転写産物のスプライシングの何通りかあり、95%の遺伝子は選択的スプライシングを受ける
(同じ遺伝子から多数の異なるタンパク質が作れる)→ゲノムの情報容量をさらに大きく
イントロン…大部分の領域では、正確な塩基配列は重要でない。イントロン相互間には塩基配列全体の類似性はほとんどないが、どのイントロンにもmRNA前駆体からの除去の目印となる短い塩基配列がいくつか含まれている(イントロンの末端やその近辺)