医学生の分子細胞生物学学習日記(15)
触媒活性を持つRNA分子…リボザイム
開始tRNA…AUGコドンのから始まる翻訳に必要な特定のtRNA
必ずメチオニン(最近の場合はメチオニンの誘導体であるホルミルメチオニン)を運ぶので、合成されるアミノ末端の1つ目のアミノ酸はメチオニンになるが、このメチオニンは後に特異的プロテアーゼで除去される。
真核生物…1.開始tRNA、翻訳開始因子というタンパク質とともにリボソームの小サブユニットのP部位に結合する。
2.真核生物のmRNA分子の5‘キャップ構造を目印にmRNA分子の5’末端に結合し、mRNAに沿い5‘→3’に移動してAUGを探す
3.AUGを開始tRNAが認識すると、開始因子の一部が小サブユニットから離れ、空いた場所に大サブユニットが結合
(リボソームが完成)
開始tRNAはP部位に結合するので、次のtRNAがA部位に結合すれば、すぐにもタンパク合成が始められる。
細菌…翻訳開始のAUGの数塩基上流に最長6塩基のリボソーム結合配列が存在する。
→ポリシストロニック(1本のmRNAが複数の異なるタンパク質を指令し、同じmRNA分子から各タンパク質が翻訳される)が可能
リボソームのA部位に終止コドンが来ると、終結因子と呼ばれるタンパク質がそこに結合し、その結果リボソームにあるぺプチジル基転移酵素活性が変化し、ぺプチジルtRNAにアミノ酸の代わりに水が付加される。
完成したタンパク鎖は直ちにリボソームから離れ、リボソームはmRNAも放出して、2つのサブユニットに解離する。
ほとんどのタンパク質は正しい折り畳みを助けるシャペロンタンパクを必要としており、新たに合成されたタンパク質には、普通リボソームから出てきたところでシャペロンが結合する。
ポリリボソーム(ポリソーム)、つまり1本のmRNA分子に80ヌクレオチド程度の間隔でいくつものリボソームが結合している
→1つのリボソームでの翻訳が進み、十分な距離が開くとすぐ、次のリボソームがmRNAの5‘末端に結合する
細菌ではさらに合成速度が速い←mRNAのプロセシングがいらない、合成中のmRNAにもリボソームが接近できる、開始コドンと終止コドンが近いから、リボソームもすぐ移動できる
mRNAの転写完了の前にその遊離末端にリボソームが結合して翻訳を開始する。
DNAに沿って進んでいくRNAポリメラーゼのすぐうしろを、リボソームが進んでいく。
タンパク質の寿命…骨や筋肉のように比較的安定な組織成分となる構造タンパク:数か月から数年
代謝系の酵素や細胞の成長や分裂を調節する酵素:数日、数時間あるいは数秒間
細胞には、酵素の働きでタンパク質を構成アミノ酸にまで分解する(タンパク分解)系がある。
プロテアーゼ…タンパク質をまず短いペプチドにし、最終的にはアミノ酸へと分解する酵素
タンパク分解系…短寿命の必要があるタンパク質を迅速に分解
損傷を受けたり誤って折りたたまれたりしたタンパク質を見つけて取り除く
誤って折りたたまれたタンパク質は凝集しやすく、それが細胞に重傷な損傷を与え、細胞死の引き金になることもある。
プロテアソーム…真核生物でタンパク質を分解する、タンパク質でできた大型の分解装置。
細胞質にも核にも存在する。
中心部分は複数のプロテアーゼでできた円筒で、プロテアーゼの活性部位が円筒の内側を向いている。
円筒の両端は、少なくとも10種類以上のサブユニットからなる大型のタンパク複合体がふさいでおり、これが分解すべきタンパク質に結合して、ATP加水分解のエネルギーを利用して折りたたみをほどき、円筒内部に端から送り込む。タンパク質が円筒内部に入ると、プロテアーゼがこれを短いペプチド鎖に分解して円筒の一端から放出する。
プロテアーゼが細胞内をうろつくのを防ぐために、容器内に収まっている