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医学生の分子細胞生物学学習日記(10)

細菌:RNAポリメラーゼのサブユニットであるσ因子が、DNA上のプロモーター領域を識別する。塩基対は二重らせんの内側にあるが、塩基対ごとの独特な特徴が二重らせんの外側にも表れているため、σ因子は二本鎖を分解しないでもプロモーター配列を見つけられる。

   細菌のプロモーターには必ず、-10とー35の位置に特定の配列が存在する。(転写される最初のヌクレオチド:+1)

 

真核生物:RNAポリメラーゼにはRNAポリメラーゼⅠ、RNAポリメラーゼⅡ、RNAポリメラーゼⅢがある。

ⅠとⅢは運搬RNAリボソームRNAと、ほかにも細胞内で構造的な機能と触媒機能を果たす種々のRNAの遺伝子を転写。

Ⅱはタンパク質やmiRNAを指令する遺伝子含む大多数の遺伝子を転写。

RNAポリメラーゼは多数のタンパク群の助けを必要とする。転写基本因子がポリメラーゼとともにプロモーターに結合しないと転写は始まらない。

遺伝子間のDNAは長い場合は10万塩基対(最近は非常に短い)→1個の遺伝子をDNA全体に散在する非常に様々な調節DNAによって制御でき、複雑な転写調節が行える。

転写開始の際は、ヌクレオソームや凝縮度の高いクロマチン構造をとったDNAを対象にしなければならない。

転写基本因子…プロモーター上に集まり、RNAポリメラーゼを正しい位置に配置し、DNAの二本鎖をほどいて鋳型鎖をほどいて露出させ、RNAポリメラーゼが転写を始められるようにする。

 

会合…DNA二重らせん中にある短い配列(プロモーターの一部で主にT,AからなるTATAボックス)に、転写基本因子TFIIDが結合する。

   TATAボックス…最初にプロモーターに結合する転写基本因子が認識するDNA配列。

RNAポリメラーゼⅡが利用する多くのプロモーターの重要な要素で、通常は転写開始部位の約25塩基上流

   TFIIDが結合すると、DNA二重らせんにゆがみが生じ、これが目印となって、さらにほかの因子がRNAポリメラーゼⅡとともに集合して、転写開始複合体が完成する。

   RNAポリメラーゼⅡがRNA合成を始めるためには転写基本因子複合体から離れる。(←RNAポリメラーゼの尾部へのリン酸基の付加)

   リン酸基の付加を行うのはタンパクキナーゼをサブユニットに持つTFIIHで(RNA合成を開始できるのは脱リン酸RNAポリメラーゼⅡ)

   転写が始まると大半の転写基本因子はDNAから離れ、別のRNAポリメラーゼの転写開始を介助する。

   RNAポリメラーゼⅡは、転写が終わるとDNAから離れ、リン酸基がタンパクホスファターゼによって除去され、新たなプロモーターが探せるようになる。