医学生のeveryday

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医学生の分子細胞生物学学習日記(29)

遺伝子の重複

遺伝子重複と分岐…遺伝子が重複すれば、その遺伝子の元の活性が失われない限り、重複した2つの遺伝子の各々が自在に変異を蓄積して少し異なる機能を遂行できるようになる可能性がある。この遺伝子重複と分岐が数百年を超える間に何回も繰り返され、1つのゲノムの中に1個の遺伝子から派生してそれぞれ特殊化した機能を担う遺伝子群のファミリー(遺伝子ファミリー)ができることがある。

 遺伝子重複は、相同組み換えによって生じる場合が多い。(壊れた二重らせんを治す重要な機構であり、無傷の染色体を鋳型にしてその相同染色体上の損傷塩基配列を修復する)まれに、1つの遺伝子の両側にある1対の同一またはよく似た短いDNA塩基配列の間で組み換えが起こることがある。これらの短い塩基配列がうまく並ばないと、遺伝情報の不均等な交換(不等交差)が起こり、その遺伝子を余分に持つ1本の染色体と、その遺伝子を持たないもう1本の染色体を生じることがある。