医学生のeveryday

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医学生の分子細胞生物学学習日記(31)

エキソンの混ぜ合わせ

多くのタンパク質は、機能を持った小さなドメイン群から構成されている。真核生物では、こうしたタンパクドメインは通常、別々のエキソンからでき、それぞれは長い翻訳されないイントロンに挟まれている。真核生物の遺伝子のこの編成は、1つの遺伝子由来のエキソンを別の遺伝子に付加するエキソンの混ぜ合わせと呼ばれる過程により、新しいタンパク質の進化につながる。

こうしたエキソンの重複と移動は、遺伝子重複を引き起こすのと同じ組み換えによって促進されている。組み換えはエキソンの前後にあるイントロン内で起こる。現存のタンパク質にはいろいろなタンパクドメインを寄せ集めた構造が多数見られ、このようなエキソンの混ぜ合わせでできたと推定される。ヒトのゲノムにあるタンパク質の遺伝子(約21000個)はすべて、アミノ酸約30~50個からなるタンパクドメインをつくる数千種類のエキソンの重複と混ぜ合わせによって生じたとする説がある。